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2019.6.12 講評 本年度二級建築士設計製図試験の課題は、「夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅」と発表されました。 本年の課題は、予想していたとおりの「木造」の課題となりましたが、2階建ての併設住宅は、過去に様々なかたちで出題されてきています。 「建築事務所」との併設住宅の出題は、昭和63年度の「インテリア設計事務所併用住宅」以来の久しぶりの課題となりますが、併設住宅に係わる共通的な計画上の問題と、「住宅」と「建築設計事務所」に係わる固有の計画上の問題とを、先ず、しっかり理解しておくことが極めて重要なポイントとなります。 近年の二級建築士試験の課題は、概して、内容が難化する傾向にあり、特に建築計画力が合否の重要な要素となってきていますが、本年度の課題も相当に高度な建築計画力を必要とするものとなることが予測されます。 本年度課題について特に留意すべき点として、以下のような点が考えられます。 従来まで出題された種々の併設住宅では、共通の計画上の問題として、基本的に外部の人の出入りが少ない住宅部分と、外部の人の出入りの多い店舗等の併設部分へのアプローチや駐車場等の動線・配置計画が、いずれの場合でも重要なポイントとなっています。 他方、本年度の課題では、住宅との併設部分が「建築事務所」であるため、「建築事務所」そのものの計画も重要な要素となることは申すまでもありません。 「建築設計事務所」では、設計製図のスペースの他に、種々の資料・備品のための保管スペース、OA機器のスペース、帳簿、図面等の保存スペース(建築士法上、全てについて15年間の保存義務があります)、給湯スペース等の他に、建築設計事務所では、依頼主等との打ち合わせのための応接スペースが特に重要な要素となります。 また、本課題では、無論「住宅」そのものの計画が重要な要素であることは申すまでもありません。 過去の課題では、ほとんどの場合に、2世帯住宅であるとか、3世帯住宅であるとか、住宅の構成について指定されていたのに対して、本課題では、特に指定がなく、それだけに課題の範囲が広くなっていると考えられ、住宅部分だけでも充分試験の課題になり得るものといえます。 木構造についての理解度を高め、あくまでも一般的な木構造の特性に則した、簡潔明瞭な平面構成とすることが肝要です。 課題条件、敷地条件等に対してどのように考えて解答の計画案に至ったかを簡潔に記述する能力を養成しておくことが極めて重要です。 木構造についての確実な理解に基づく、確実で迅速な製図力の養成が不可欠です。要求図書のひとつである、「部分詳細図」については、特に留意しておく必要があります。 以上のような本年度の課題への留意点に対応して、合格を確実にするための最も重要な鍵は、「着実な木造への理解に基づく着実な建築計画力を養成すること」であり、そのためには、単に多くの課題をこなすことよりも、精選された演習課題によって的確な計画上の応用力を基礎から着実に身に付けていくことが必要です。 |
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