全日本建築士会について 50余年の建築士育成事業の実績をもとに、社団法人全日本建築士会が総監修した、建築関連資格の特別養成講座

合格への鍵 講座>本試験の総評>設計製図試験の総評(二級)

平成27年度二級建築士設計製図試験の総評

近年の二級建築士設計製図試験は、特に24年度の試験制度の見直し以来、高度な建築計画力を問う内容のものとなってきていましたが、27年度の試験においては、その傾向が更に顕著な内容のものとなりました。以下に27年度の課題における建築計画上のポイントと意味・対策等について記します。

南・北二面道路であること

敷地の南北面に二道路が接しており、南側道路の巾員が8Mで、北側道路の巾員が6Mであり、なおかつそれぞれに表通り、裏通りと記されていることから、定石通りに、南側道路から店舗へのアプローチを計画し、北側道路より住宅へのアプローチを計画することが求められます。この場合、駐輪場の配置等を含めた店舗の正面性、住宅の入口としてふさわしい雰囲気等の外構計画が必要となります。

縦動線・コアーの計画

本課題では、1階から3階に至る住宅用階段・エレベーターが、1、2階の店舗の縦動線としての階段・エレベーターと共用であること、また、別に店舗の1、2階を結ぶ階段を有することが重要な特徴となっています。特に店舗と住宅の共用の階段・エレベーターは、この建物のコアーとなるものですが、これらは住宅の一部ともなることから、南北に細長くなる建物の北側の適切な位置にどのように計画するかが、計画上の重要なポイントともなります。なお上記から、住宅における下足の履き替えは3階となる点も見落せない留意点といえます。

2階店舗の非売場スペースの計画

本課題では、1階店舗売り場及び3階住宅の課題要求室は、いずれも課題条件として一般的なもので、特に問題となるものはなかったと考えられる一方で、2階店舗の非売場スペースの屋内プレイスペース、喫茶コーナー、1階屋上の屋外プレイスペースは計画上の重要ポイントであり、喫茶コーナーからプレイスペースの子供への見守り条件も見落せない計画上の重要な留意点であったといえます。

設計の自由度の高い課題

近年の課題は、課題条件を単にまとめるだけでなく、課題条件をまとめる上で受験者の考える余地の多い、すなわち計画上の自由度の高い課題の出題が目立つようになってきており、それだけに受験者の高度な建築計画力が求められる課題となってきていますが、本年の課題も正にこの傾向の延長線上にある高度な計画条件の課題であったといえます。
また、24年度の試験制度の見直し以来、課題条件については、大枠は示すものの詳細な条件については、受験者自身が考え、設定することとなっており、本年の課題条件でも、ほとんどの要求室については特記のみが示されて、室面積は受験者自身が提案することとなっていた点も注目点といえます。

合格を得るための鍵となる建築計画力の養成

以上のように、本年の課題が、近年の設計製図試験の傾向の延長線上にあるともいえる高度な建築計画力を要求するものであったことからも、先ず課題条件の大枠を確実に理解・把握した上で、課題の詳細、補足的な条件の着実な提案力が必要とされます。その上で、自由度の高い課題条件について、あくまでも一般的な考え方でまとめて行く計画力の養成が、今後の試験の合格のための最も重要な鍵であるともいえます。
本会の講座では、以上のような近年の試験の傾向に対応する確実な合格力を養成するために、例えば本年の試験課題に対しても、多くの重要ポイントで参考となる点を含む徹底した厳選課題を基に、単に練習課題をこなすことでなく、あくまでも受験者自身の考える力を養い、応用力を養成することを目的とし、長年の高い実績をあげてきております。

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