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平成25年度二級建築士設計製図試験の総評
平成25年度二級建築士設計製図試験「レストラン併用住宅(木造2階建)」の試験の内容は、近年の傾向である建築計画についての高い能力を問うものとなりました。また、試験の実施機関である(財)建築技術教育普及センターより平成24年度以降の試験に対する試験内容の見直し点として発表された事項を反映したものとなりました。平成24年度以降の二級建築士設計製図試験の内容の見直し点として発表されたものは、平成21年度以降の一級建築士設計製図試験の内容の見直し点に概ね添うもので、それだけに、二級建築士設計製図試験の内容が以下のような点で一級建築士試験の内容に近づいてきたものとなってきたといえます。
建築物の設計及び工事監理に関する技術の進歩、高度化、環境問題、社会構造の変化、法令の改正等を踏まえ、適宜見直しを行う。
ポイントとなる主要室等の床面積、計画等について計画の自由度を高めた条件設定(床面積等の条件を「適宜」とする等)とする。
主要な室等の計画の要点(工夫した事項や設計意図)等について記述する。
上記の「1」について、平成25年度の課題では、敷地の2面に接する道路との関係で、レストンランへの客の動線、サービス動線、住宅部分への動線のとり方や、敷地に屋外テラスを設けること、蕃園を設けることにより、屋内空間と外部空間をどのように関係づけて計画するかなど、敷地環境等についてどのように考慮して計画するか、高度な建築計画能力が問われる問題となっています。
「2」については、要求室の面積について、レストラン部分の各所用室の面積が、各所用室の利用者数等が示されるのみで、面積は適宜とされて受験者自身が設定しなければならないこととなっており、また、住宅部分についても各室の使用方法が示されるのみで、それらの面積は受験者自身で設定しなければならないこととなっています。以上は、従前の所用室とその面積が示され、それによって平面計画をすればよい内容と大きく異なり、当該建築物について広く深い建築計画上の知識を必要とするものとなっています。
「3」については、
・敷地内における蕃園の配置で工夫した点、
・住宅部分とレストラン部分との関係で工夫した点
・レストラン部分の計画で工夫した点
を記述するもので、いずれも、それぞれの建築計画上で工夫した点について具体的に簡潔明瞭に記述する能力を問うものとなっています。
以上のように、平成25年度の試験の内容は、従来の試験と同様に正確でスピーディーな製図能力を有していることが必要であることは重要な前提条件でとして変わりはないものの、より一層の高度な建築計画力を問う内容のものとなって来た点が注目される点で、この傾向は今後も留意すべきポイントであるといえます。
このような傾向への対応として、厳選された練習課題により高い建築計画能力を養成するために、出きるだけ早い時期から計画的に準備を進めることが合格の鍵と言えます。
なお、26年度設計製図試験への準備として、26年度設計製図試験の課題発表前から準備を進めることが重要で、あくまでも付け焼き刃的準備ではなく、合格に必要な高い建築計画能力を身につけるためには練習のための対象建物の種類が何であるかは直接関係ないことを理解することが必要です。

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