附属伝統建築研究所 |
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一般社団法人全日本建築士会主催本会主催 建築コストマネジメントセミナー周知のように近年の厳しい経済状況に加え、建築業界の持つ請負契約等に基づく固有の潜在的な問題点や更に近年新たな問題として発生してきた環境問題、省エネルギー問題等の様々な問題点が解決を迫られる課題として今日浮上してきている。 これらの解決のためには、従来にない新たな視点、発想が必要と考えられているが、また一方で共通の問題としてコストに係わる問題があり、この問題の解決なくしては結局どうのような問題の改善も難しいとされている。 すなわち、建築業界においては従来から一式請負の観点などからコストに関しては、とかく、厳密さ、透明さ、合理性に欠ける面があると指摘されてから久しいという経緯があった。 このような状況に顧み、この度、コストマネジメントセミナーを本会主催で開催することとしたものである。このセミナーは、出来るだけ幅広い分野の専門家に参加を呼びかけることとし、そのような主旨からも国土交通省、建築業協会、建設物価調査会、PHP研究所等各方面の関係機関から後援を得た公益事業として7月28日、東京都千代田区の学術総合センターにおいて開催された。 先ず、古阪秀三京都大学大学院准教授が基調講演「建築コストマネジメントの重要性」で、生産性向上のための必須条件として、「なぜ建築主の不満が起こるか」(発注者が設計者に持つ不満)に始まって「試設計は今後の新しい設計手法の一つになる」「概算、積算の重要性」まで、ポイントを短時間で講演した。 このほか、官公庁の資産管理などを手がけるファインコラボレート研究所、日本設計、建築業協会、建設物価調査会総合研究所の実務者による貴重な具体例が報告された。 今回のセミナーは、建築コストマネジメントの意義、一般性のある具体例など、建築コストマネジメントの重要性に係わる総論とも位置づけられるものであったが、反響は極めて大きく、当初予定された定員の倍程度の200余名の受講希望者の参加を得、また、その関係分野も、国交省、文科省等の官公庁から、ディベロッパー、設計事務所、ゼネコン、材料メーカーなど極めて幅広い分野からの参加を得た。本セミナーは、第一回目と位置づけられるものであり、今後、リフォーム、環境設備、木造建築、ライフサイクルコスト等様々な切り口からの一連のコストマネジメントに係わるセミナーの開催が予定されている。 |
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